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北欧公的医療データ

北欧ではこの2週間、ヘルステック関連の動きが目立っています。

6月18日、Nordic Innovationが北欧諸国のヘルスデータアクセス全般についてのオープンソースの報告書
を発行しました。 6月24日にはSLUSHとAstraZeneca社がヘルステック・スタートアップをグローバルレベ
ルで支援することを目的にパートナーシップを締結したとの発表がありました。 6月30日には東京のNordic
Innovation Houseがジェトロと共同でウェビナー「HealthTech & COVID-19 in Japan: Industry Insights
and Recent Developments(日本におけるヘルステック & COVID-19:業界の見識と最近の動向)」を開催
しました。なぜ北欧のヘルステック?

北欧諸国はヘルステックとライフサイエンス分野において長年にわたり世界を牽引しています。 北欧の大規
模な公的医療制度は、 常に最新のヘルステックやデジタルソリューションの導入にも積極的で、 官・民協働
の新しいソリューション開発を手がけるスタートアップにとっては理想的なフレームワークを提供していると
言えます。

また公的医療制度は絶大の信頼とその透明性を特徴とし、 個別化医療の臨床試験など、 医療機関が政府
と国民を交えたパイロットプロジェクトを立ち上げることも比較的容易です。

現在、 北欧のヘルステック企業が得意とするのはeヘルス、 アンビエント・アシステッド・リビング、 個別化医
療、 スマートヘルスケアのインフラ、 遠隔診療及び遠隔治療ソリューションなど。北欧のスタートアップやテク
ノロジーに関する詳細は報告書からご覧になれます。

データアクセス

また北欧ヘルステック分野のもう一つの特徴として、 公的医療制度が集積する高品質データの普及が挙げ
られます。 これらのデータは大半がデジタルプラットフォームに保存され一元管理されています。
これらのデータにアクセスして二次利用することはほぼ難しく、 厳しく規制されています(詳しい内容及び北
欧各国の比較についてはNordic Innovationが最近発行した報告書Bridging Nordic Dataをご参照くださ
い)。

最前線のフィンランド

とはいえ、状況は変わりつつあります。 報告書では「フィンランドは健康・社会データの二次利用に関する法
律を北欧で初めて制定した(2019年5月)。 この法律により条件付きでの健康・社会関連情報の二次利用が
可能となり、 二次利用目的のためのワンストップ許可とデータショップを提供している」と紹介しています。
さらに、 フィンランドではFindataという社会・健康データの二次利用のためのワンストップショップも始まり
ました。 そして、これは北欧人に言わせれば単に氷山の一角にすぎないのです。

北欧の健康データのエキスパートと繋がりたい方々は、 ぜひお気軽にご相談ください。