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北欧の電子政府

北欧諸国は「Govtech(ゴブテック)」分野で世界のトップクラスです。ゴブテックとは
、行政業務・サービスの効率化のために利用するテクノロジーのことを指します。

北欧の電子ガバナンス

国連が先週発表した今年度の電子政府調査によると、新北欧諸国の6カ国が世界の電子
政府国別ランキングの上位13位以内に入りました(デンマーク1位、エストニア3位、フ
ィンランド4位、スウェーデン6位、アイスランド12位、ノルウェー13位)。これほど行
政機関のデジタル化が全体的に進んでいる地域は世界に他に例がなく、人々はオンライ
ン利用に積極的で上手に活用しています。

北欧がこのように先駆的である理由には、行政と自国のスタートアップの強い協働関係
が築かれていること、そして最新のテクノロジーや異なるソリューションを受け入れる
オープンマインドな国民性が挙げられます(ニュースレター第2号参照)。

最近行われた世論調査によると、行政機関の職員の47%がスタートアップ企業との協働
を望んでおり、同様にスタートアップ企業の53%が行政機関との関係強化を望んでいる
、との結果が出ています。

コロナ禍で強まる協力体制

新コロナウィルスの影響を受けて、双方の協働意欲は確実に今後も高まっていくことで
しょう。ロックダウンは、教育や仕事、診断、疾病管理、デジタル政府や金融サービス
などを遠隔で行える新しいソリューションの需要を一気に押し上げる結果となりました

行政機関の間では、イノベティブなテック系スタートアップこそがこのパンデミックが
もたらす社会的影響を軽減できる鍵を握っているという見方が強まっています。イノベ
ーターや起業家側も行政、市民や社会に幅広く提供できることのメリットを強く肌で感
じ始めています。

新型コロナ関連スタートアップのデータベース開設

このような変化を反映し、北欧官僚理事会(北欧地域における政府間協力の公式機関)
は先月「北欧地域における新型コロナ対応のテクノロジーのショーケース」として、
欧・バルト諸国テック系スタートアップデータベースを開設しました。

このデータベースでは、新型コロナ関連のスタートアップ140社の概要、セクターおよ
びエコシステムごとの概要、さらには北欧・バルト諸国が実施した新型コロナウィルス
対策の包括的リストが閲覧できます。

新型コロナウィルスが北欧・バルト諸国地域全体のスタートアップエコシステムを揺る
がした一方で(スタートアップの81%が新型コロナウィルスの影響で減収を経験)、長
期的に見ればこのパンデミックに反応している北欧諸国のヘルステック、エドテック、
ゴブテックやフィンテック企業の未来は明るいかもしれません。